5・鉄道マニア
大回り乗車って何?
皆さん「大回り乗車」ってご存じですか。東京・大阪・新潟・仙台・福岡の5つの都市近郊区間内のみを普通乗車券で利用する場合、実際に乗車になる経路にかかわらず、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車することができるというルールです。重複しない限り乗車経路は自由に選ぶことができるものの、途中下車はできません。
例えば、新大阪駅から大阪駅の切符を買って、新大阪から京都に向かいます。JR奈良線で奈良に向かい、関西本線で天王寺へ。そして大阪環状線で大阪駅へと行くような乗り方です。わずか一区間の料金でぐるりと旅行することができる、合法的な楽しみ方です。
仙台近郊区間でも何通りかのルートでそれを楽しむことができます。下にあるエリアマップをご覧ください。赤い縁取りの黄色ラインの部分が陸羽東線です。つまり、仙台近郊大回り乗車をする人にとって陸羽東線は主なルートの一つになる路線なのです。
でも待ってください。JRにとって、また陸羽東線の利用者増を願う大崎市などの自治体にとって「大回りトラベラー」は嬉しくない存在なのでは?
確かに、乗車人員のカウントには最低限しか反映されないし、乗車運賃も最低限しか入らないので「大歓迎」の存在ではない(微妙な表現ですね)でしょうね。
でも実は毛嫌いする対象ではないのも事実です。いったいどうプラスになる存在なのでしょうか。
ブログ・インスタ・Youtuber・・・
「大回り乗車」を楽しむ鉄道マニアたち(そうでない人たちも)の多くは自分の体験や写真や動画などを発信したり共有したりすることを楽しんでいます。もちろん、発信力の強い人とそうでない人がいますし、そのクオリティーも様々ではあります。でも、100人いれば100通りの視点や感じ方がある通り、その小旅行で感じた思いを数多く発信してくれる存在なのです。
グループでそれをする人たちはグループとしての楽しい体験、一人旅ならその体験、左側の車窓、右側の車窓・・・。それぞれ違いますよね。
各SNSの視聴者、フォロワーさんたちが陸羽東線の魅力を知るきっかけになってくれるならその発信者となる鉄道マニアは「歓迎できる存在」だと思います。
途中下車ができないということは・・・
実は私もこれ(大回り乗車)をやったことがあります。岩出山駅から東隣りの西大崎駅までの切符を買って陸羽東線で新庄へ。そして山形線で南下して羽前千歳、そこから仙山線に乗り換えて仙台、東北本線で小牛田に北上、最後に陸羽東線で西大崎へというルートでしたが、その間一切途中下車はできません。
ということは何を意味するでしょうか。
最初から携帯していったもの以外は食事もおやつも飲み物も、外に買いに出ることはできないということです。もっとも、無人駅で降りて乗ってきた列車を見送り、次の列車に乗るまでの間外に出ることをとどめる人は誰もいないとは思いますが、厳密に言うとそれもダメなんです。
私が大回り乗車した時には快速リゾートみのり号でしたので車内販売を利用したのを覚えています。まるでオアシスを求めるかのようです(笑)。現在運転されている快速湯けむり号にも車内販売がありますのでそれを活用することができます。というわけで・・・「鉄道施設内での食料購入率が高い」というプラスの面があります。
車内販売に限らず、乗換駅となる新庄駅も大事な買い出しポイントとなります。ただ、新庄駅は売店が外になるのでまるで「砂漠で食べ物の幻影を見ている人」のような気持になります。飲み物を多めに購入してしのぎます(笑)。
その点、仙台駅は改札内も充実しているのでまるで「自由の地」に来たような気持になります。特に目に付くのは立ちそば処「杜」ですね。きっとそのころにはむさぼるようにして食べたくなっていることでしょう。
ちなみに、新庄から一旦山形まで行きたくなるところですが、そうしてしまうと仙山線には乗れなくなります(羽前千歳~山形間が重複するため)。その際には福島回りになります。
結論:大回り乗車する人はかなり「情報発信」してくれるので結構ありがたい。
大回り乗車の際にはところどころでお金を落としていってくれる。
まぁ、利用者の立場から言えば、駅のホーム上に自販機がある駅を車内放送で案内したり、少し長めに停車したりというサービスがあってもいいんじゃないかと思いますね。特に日中の列車。または車内に自販機があってもいいかな。
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