【陸東活性化】2-①通学利用の拡大を図る

陸羽東線の通学利用拡大へ 使える地元の足へ
陸羽東線の通学利用拡大へ

2・使える地元の足へ

通学利用の拡大を図る(使いたくなるように)

学校の数は決まっていて、生徒さんの数も決まっている中で、利用拡大を図るにはどうすればいいのでしょうか。それはまず、「便利なら列車通学するけど不便だからしない」という層の学生さんたちに「メリットを伝える・メリットを作る」ことだと思います。

古川エリアの高校マップ

古川エリアの高校マップ

古川学園の裏門設置を待っていた!

古川学園の校門が駅側にもできたというニュースがありました。古川駅に隣接した学校でありながら、門までは思いのほか遠いと感じる残念な状況がついに解決されたのですが、学生さんたちが切実に願っていたことがよくわかる記事でした。この様に、これまで利用していた学生さんたちが便利さを実感したら「あの学校に行きたい」という次世代の生徒さんが集まり、陸羽東線をもっと利用したいと思う人が増えると期待できます。

もう少し遠い高校の場合

古川学園の場合には校門の設置だけで十分でしたが、もう少し距離がある学校ならまた事情が異なってきます。例えば古川高校は古川駅から1km少々、岩出山高校は岩出山駅から1km未満の「駅からの距離」ですが、大事なのはその距離を生徒さんたちがどう感じているかではないでしょうか。「この距離があるから鉄道を利用しないで車で送り迎え」という生徒さん、「シャトルバスがあったら鉄道と合わせて利用したい」という生徒さんなどいくつかのケースがあると思います。入学前の生徒さんに聞き取り調査して現実的な利用促進策が見つけたいものですね。

個人的観察としては、岩出山高校の生徒さんは駅からの通学路が風情ある街並みや小さなお店がある中で「苦にせず通学」できているように見えますが、実際のところは尋ねてみるのが最善かと思います。

参考例 : JR北海道の名寄高校の例からわかる通り必要に応じて「駅の設置」(移設)を実施したケースもあります。または駅から自転車で高校に通えるための駐輪場の整備(セキュリティ含む)するのも安心感と利便性向上につながると思います。

さらに距離がある高校の場合

古川工業高校の卒業生である友人に、約1.5km駅から歩くことについてどう感じていたかを尋ねてみました。すると「冬場は雪が降ったりもするので歩くこともあったが、夜間駐輪の自転車も使って3年間乗り切った」とのことでした。つまり天候が悪くなければ自転車で駅から学校に行くことを希望していたということです。

この点について思ったのですが、こうしたところでは「安全に自転車で走れる距離を長く確保する」ことができれば、「自転車との組み合わせで鉄道を利用する」ことが容易になるのではないでしょうか。というのも、東北新幹線の高架下を自転車道として整備すればかなりの部分を自転車で行けそうだからです。これは宮城誠真短大隣りの大崎中央高校も当てはまることです。

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またもうひとつのアプローチとしては「シャトルバスを格安運賃で運行」して自転車通学からシフトすることを促しても良いかもしれません。降雪時をはじめとした事故のリスクを低減できるともいえます。

古川高校については古川駅南口から出る路線バスを設定して大崎市役所新庁舎を経由してその先の古川黎明高校(中学)まで行く経路を設定して試験的運用するのもいいのではないでしょうか。帰りの時間帯には大崎市図書館にも回るような路線だと喜ばれそうな気がします。

列車+バス乗り継ぎがぎりぎり可能なライン

「便利なバスがあれば列車通学するかも。」と思うのが陸羽東線・西古川駅から4Kmほど離れた中新田高校。加美町ですので厳密に陸羽東線沿線とは言えないため微妙なラインではありますが、西古川駅からそんなに遠いわけではありません。

この間、アクセス道路を考えるとそこを自転車通学しようと思う生徒はいないと思いますし、親の立場でもそれは勧めないと思います。つまり、「バスがもしあれば使うかも」くらいだと思います。そうであれば中学3年生が進路を考え始める時期から希望調査をする際に「運行の可能性がある通学手段」を紹介し、どんな手段で通学したいかも調査してはどうでしょうか。生徒さんたちも「それなら列車通学しよう」となる人が出てくると思います。

通学利用の拡大を図る(対象年齢の拡大)

列車通学というとおもに高校生という印象がありますが、中学生や小学生に対象を広げることも可能かもしれません。実のところ大崎市は小中学校の統合が進んでいるためたくさんのスクールバスを運行しています。2023年度も西古川小中学校が開校しました。もっとも、統合後の学校が駅のそばというところは限られているのですが、いくつかは存在しています。

有備館駅には自転車スタンドも完備

有備館駅には自転車スタンドも完備

最有力は有備館駅から歩いていける距離の岩出山中学校でしょうか。スクールバス利用か陸羽東線利用か選択できるようにしてもいいように思います。西大崎・上野目・池月から列車で通う中学生がある程度いれば数多く走っているスクールバスの本数を整理することも可能かもしれません。

結論: 学生さんたちのニーズを知り、「使いやすい、乗りたい」と思う環境づくりが大切。

高校生から中学生にも対象を広げる検討ができるかも。

【使いたくなる駅】というテーマはこちらから
⇒ 便利になる【駅】の整備

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