◆寝台特急出羽号のトレインマーク
このマークは羽黒山の石段と杉林を幾何的な模様で表現したものである。
列車名の由来は旧国名・出羽国(でわのくに)から取られているが、出羽と言えば出羽三山のイメージが非常に強い。この出羽と呼ばれるエリアは意外なほど広く、現在の秋田県と山形県の全域に近い広さだという。したがって、地名由来の同じ名称には珍しく、特急格上げの際に通るルートが大幅に変更されるということが起こり得たのかもしれない。
寝台特急出羽号のテールマークにはおもしろい裏話がある。それは寝台特急マークのつけ忘れのお話。それについてはこちらのページで。 ⇒ 【HMコラム】寝台特急なのにテールのあのマークがない!
寝台特急出羽号のプチ・ストーリー
◆寝台特急出羽号。 上野~秋田を結んでいたブルートレイン。高崎線・上越線・信越本線・羽越本線経由で1982年から1993年まで運転されていたが、最後は同じルートで青森発着だった寝台特急鳥海に一本化される形で廃止となった。そのルートでは青森発着で寝台特急あけぼの号が最後まで走ったが、2014年3月改正で終焉を迎えた。
余談ではあるが、寝台特急出羽号が登場した時、それまでの夜行急行鳥海号のダイヤを踏襲した部分が多く(特に下り羽越線内が顕著)、「あまり急行時代と変わらない」という意見もあったそうだ。とは言うものの、これより早く到着することは新潟・山形県内での有効時間帯に達しておらず、適切であったように思う。
特急となる以前の出羽号は東北本線・奥羽本線・陸羽西線経由の気動車夜行急行だった。上野出発時には12両の長い編成だが山形・新庄でスリムになり、4両(G1・自3)で酒田に達する面白い列車だったようだ(1980年9月時刻表より)。東北本線開業による在来線需要の大変革の時期に変貌を遂げたブルートレイン。