キハ20系一族の最後・・・キハ52
大糸線は沿線途中にある信濃大町の「大」と糸魚川の「糸」から採られた名前を持つ路線で起点は松本である。しかし、電化が途中までであり、国鉄民営化によって南小谷駅で会社が分断されたことも重なってはっきりと性格が異なる2つのエリアに分かれる。南小谷以南では特急あずさ号が乗り入れるなどいくらか華やかな印象があった。
一方でキハ52形が最後まで活躍したのは南小谷以北の糸魚川に至る区間であり、JR西日本の運営下に当たる。運転席上部中央(いわゆるおでこ部分)にヘッドライトを備える形状はレトロな印象で人気を集めていた。北海道や東北などで広く活躍していたキハ22形もそっくりな形状だったのだが、それが1990年代には消滅していく中、ハイパワーな2基エンジン気動車でなおかつ両運転台車という使い勝手の良さからキハ52形は生き残るものがあった。
そして、JRとしては最後まで活躍したのが大糸線の3両のキハ52形(キハ52-115・キハ52-125・キハ52-156)である。なお、この3両の引退車両の中からキハ52-125はいすみ鉄道に譲渡され、キハ52-156は糸魚川駅に併設されている「ジオステーション ジオパル」内に実物展示されている。
ありがとうキハ52・・・惜別列車のヘッドマーク
上述の「ジオステーション ジオパル」内にある展示物の中にトワイライトエクスプレス再現車両などとともに「ありがとう キハ52」というヘッドマークが置かれている。ジオまるとぬーなという、糸魚川のキャラクターを左右に描いたデザインだ。2010(平成22)年3月13日(土)のダイヤ改正にともない、大糸線のキハ52がキハ120に置き換えられて定期運行から退くこととなり、3月12日(金)の大糸線最終往復列車(438D〜437D)は3連で運転しこのマークを掲げた。
なお、実際のラストランとなったのは8月21日だったようで、それまでに何回かのイベント運転が行われた。その一つで掲げられたマークが下のもので、上のヘッドマークとよく似た構成だが少し違っている。