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ユーロライナーのプチ・ストーリー
◆ 1985年8月に完成した、国鉄・名古屋鉄道管理局所属の欧風客車である。12系客車を改造したジョイフルトレインで、「サロンエクスプレス東京」、「サロンカーなにわ」に続く国鉄3本目の欧風客車としてデビューした。両端が展望車両、中央がカフェラウンジ車両、その他が個室車両4両で、全車両グリーン車扱いの合計7両編成だった。
展望車両であるスロフ12形700番代はいずれも種車の車端部を編成内側に向け、連結面の方に展望室を接合する手法を取っている。そのため、隣りの客車に面する側に車掌室がある形になり、元々の12系の車端部の面影が色濃く残る形状をしていた。この頃の展望車付のジョイフルトレイン客車によく採用された改造方法である。
車体塗装は、ライトブルーイシュグレーのボディーにで、群青色(ウルトラマリーン)の帯が巻かれ、その帯の太さに合わせた「EUROLINER」のロゴタイプが展望車の車端部近くにデザインされていた。
個室車両のボディーは、種車のものを使用せず新造したので、車両限界の寸法で、天井も高くとった車両だった。個室の形状もユニークで、6人個室・4人個室が交互に配された。
カフェラウンジ車両は、窓に向けたテーブルと座席が特徴。カラオケ装置も備えられていた。
ユーロライナーのヘッドマーク
ユーロライナーには、専用の牽引機関車が3種類用意されていてそれぞれヘッドマークを取り付けて走っていた。その機関車とは、形式としてはディーゼル機関車のDD51、直流電気機関車のEF65、EF64(山岳区間用)の3種類だが、両数としては全部で6両が専用カラーを身にまとっていたそうだ。
ボディーカラーに合わせた、清々しい白とブルーの濃淡をベースにした、山のデザインのHMはシンプルで美しかった。名古屋鉄道管理局~JR東海ということで、この山は日本アルプスをイメージしたものではないかと思われる。
少し余談になるが、このユーロライナーの車両を分割し小分けにしていろいろな列車に活用された時期があるらしい。たとえば、個室車両を2両だけ14系座席車両の編成に組み込んで臨時特急金星51号・52号として運転したのもその一例だ。
加えて、カートレインユーロ名古屋号でも展望車両は不要であったため別の列車に連結して別個の列車として走ったりもしていた。
また、ユーロライナーのりくら号やシュプールユーロ赤倉といった臨時急行列車にも多く使用されたのがジョイフルトレイン・ブームに火が付いた1980年代らしいところではないだろうか。