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急行きたぐに号のプチ・ストーリー
◆ 大阪~新潟を結ぶ夜行急行列車として運転されて寝台特急日本海と同時に2012年3月16日出発分を最後に臨時列車化された急行きたぐに号。その歴史は長く、旧型の客車から寝台座席混成の電車までいろいろな形態が見られた。そして、様々なニーズにこたえた列車と言える。それは座席のタイプという面でも、末端区間の通勤列車的性質を加味した意味も含めてのことだ。
2013年1月の運転を最後に運転計画がなく、月末には廃止の発表となった。
1982年の上越新幹線開業までは大阪~青森間を結ぶ列車だったが、新潟以北を特急いなほ号に系統分離して大阪~新潟の列車となり、同時に10系中心の編成を終了し、14系客車を使用するようになった。さらに1985年、583系夜行急行立山号の廃止と時を同じくして急行きたぐに号を583系に変更。ボディーカラーの変更などはあったが、基本的にはその後四半世紀にわたり583系急行スタイルを貫き、寝台特急つるぎ号廃止後の同区間を長らく担ってきたが、ついに運転を終了してしまった。
電車化後の運転形態は、幾らかの時間短縮はあったものの、【下り】大阪23時20分台発⇒新潟8時30分前後着、【上り】新潟22時台発⇒大阪7時前後着で一貫していた。
◆急行きたぐに号のトレインマーク
583系独特の横長トレインマークに描かれているデザインは、新潟地方の伝統的な踊りである「佐渡おけさ」を踊る人の姿と北陸地方の地図だ。グリーンを中心に輝く様子はとても鮮やかで魅力的だった。
同じ583系の夜行列車でも急行立山に使用されていた時にはずっと単純に「急行」という表示だけのトレインマークだったので寂しかったが、こうしてイラスト・トレインマークを用意してもらえて華を添えてもらっていた同列車は長い間高い人気を誇った。
(画像をクリックするとHM高画質保管室にリンク)
初代専用塗装では見られなかったが、2代目のボディーカラーリングでは急行きたぐに号専用車両を示すロゴマークが登場した。夜行列車らしさを見事に演出していて、カジュアルな中にも品のある雰囲気がよく出ていると思う。この2代目の急行きたぐに号専用のボディーカラー自体もバランスが取れていて落ち着きがあるのでとても好感が持てる。
◆急行きたぐに号の画像集
583系車両の画像は、提供:YOMPAQ様・kogane-turbo様(無断使用・転載を禁じます)
左は雪山をバックに走る急行きたぐに号。手前側に見える田んぼはまだ田植えには早く、水を張っただけの状態で、列車の姿と雪山を映し出す水鏡の様になっている。
さて、急行きたぐに号は大阪と北陸地方の各都市を結ぶ足として貴重な存在だったが、とりわけ新潟県内の中規模都市にもこまめに停車するということや、目的地にダイレクトに着く便利さが好評で、旅行者たちだけでなく地元の方々の足としての側面からも重宝された。
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1980年代前半までは電車でなく客車による編成で、まさに夜汽車の旅情たっぷりだった。大阪寄りの端には郵便車(オユ10形)が連結されていたので、トレインマークがあるとかないとかいう以前の問題だったが、それも一つの味わいだった。
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14系客車は特急の波動輸送用車両だったので、それが急行に使用されるようになるというのはまるで特急格上げの様な印象を受けた。もっとも、夜行で座席車両というのは乗ってみると結構きついものがあるが、夜行バスに比べると快適というのが個人的感想だ。
※画像提供:Teru-t2様