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特急東海号のプチ・ストーリー
◆ 東京~静岡を結ぶ特急列車として2007年まで運転されていた特急東海号。だが、1966年から1996年までの30年にわたる長い間「急行東海号」として活躍していたためその印象の方が強いという方も少なくないようだ。
1996年からは特急ワイドビュー東海として東海道新幹線の穴を補完する役割を与えられていた。同一会社同士の新幹線と在来線昼行特急が終始並行する区間設定が見られた希少な例と言える。
並行設定と言えばJR九州の特急きらめきなどがあるが、新幹線はJR西日本のものであり、列車の性格分けで「対抗」する印象である。
ルーツをたどると1955年7月20日改正で登場した東京~名古屋間の準急東海にさかのぼる。客車編成⇒80系⇒153系という車両の変遷を経て7往復のピークを迎え、東海道新幹線開業より後の1966年3月5日ダイヤ改正で急行格上げとなる。6往復でスタートしたがやがて4往復に削減、2往復を静岡で打ち切りと、徐々に衰退が進んでいった。
1982年のダイヤ改正では静岡発着の2往復のみとなったが、12両編成でグリーン車2両というスタイルは維持された。しかし、これは一説によると共通運用されていた「大垣夜行(後のムーンライトながら)」のために維持されていたらしく、普通列車のために組まれた急行編成という立場の逆転だったとも言われている。ちなみに、153系電車が「東海型電車」と呼ばれていたのは落成後すぐに準急東海に使用されたことが由来である。
*** 画像提供:Teru-t2様・kogane-turbo様
◆特急東海・急行東海号のトレインマーク
このヘッドマークは373系を使用したワイドビュー東海号のもの。富士山を背景に湘南の海を描いているといったところだろうか。 JR東海の新しい特急車両が使用されて登場した際には「これからもまだまだ現役の特急として頑張るんだろうなぁ」と思ったものだが、その願いはもろくも崩れ去った。現在では373系が東京に現れることすらもなくなってしまった。
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153系・165系を使用した急行東海号でも立派なヘッドマークが使用された。急行伊那路号などとも共通タイプのもので、中心に縦方向の軸があり、左右にパタパタとめくることによって愛称を変更できるタイプのヘッドマークだ。この実物は現在も名古屋市にあるリニア・鉄道館にて見ることができる。
ある意見によると153系を使用した準急時代にも「赤地の大型ヘッドマーク」が使用されていたといわれている。それは上で紹介しているマークの「急行」部分を「準急」と記したマークだったようだ。
◆特急東海号の車両
JR東海が所有する373系で、直流専用の特急型電車だ。同じ車両を特急ふじかわ、特急伊那路などが現在でも使用している。同時にデビューした快速ムーンライトながら号にも使用されていた。