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特急成田エクスプレス号のプチ・ストーリー
◆高尾・新宿・大船・横浜・大宮・池袋~成田空港間の空港アクセス専用特急である特急成田エクスプレス号。デビュー当初は253系電車を使用し、専用に使っていたが、現在はその置き換え様に新製されたE259系がその運用についている。京成電鉄との一騎打ちの様相を呈している乗客獲得合戦だが、JR東日本はそのネットワークを活かして、周辺各路線に直通するところが一番の強みだ。
その強みを生かした試みとして、2014年7月26日から土曜・休日には富士急行線の河口湖まで直通する列車を1往復設定。世界遺産・富士山を目指す外国人旅行者の利便性を追求した試みとなる。またさらに、2014年秋の臨時列車予定では鎌倉方面への直通として横須賀発着列車を設定。現在、河口湖への直通は終了し、特急富士回遊号に役割を譲る格好になった。
◆特急成田エクスプレス号のトレインマーク
登場から14年を経てE259系車両をリニューアルすることになった。形式名を前面に押し出した「カクカクとしたフォント」のロゴマーク。これまでは前面貫通扉がしっかりとした黒だったが、軽やかな印象のシルバー塗装となり、イメージチェンジ。とはいえ、キープコンセプトで一目で成田エクスプレスだとわかるデザインが維持されている。
航空機をイメージさせるデザインに加え、N’EXという略称がヘッドサインに掲げられている。おそらく国際線を利用する方々(特に海外からの旅行者)にも覚えてもらいやすい名称をということで着けられたのだろう。そしてすっかり定着している。意図してではないと思うが、ペプシコーラのサブネームとも同じ発音で覚えやすいだろう。リニューアル後も基本デザインは継続使用される。
◆特急成田エクスプレス号の画像
2009年10月より順次投入され、253系から空港サクセス特急の役割を引き継いだE259系車両。成田スカイアクセスで大幅に時間短縮した京成特急に対抗すべく、この新型車両で、東京近郊の幾つかの路線まで足をのばし利便性アップを図る。253系とは対照的にNEXの文字をインパクトあるものにしたが、赤をサイドの上の方に控えめにしたことでスッキリとした印象を与えている。「X」の中心の赤が洒落ている。
1991年3月19日に運転を開始。空港アクセスに特化し、大型荷物を置くスペースやその他航空利用者の利便性を考慮に入れた空港アクセス専用車両として開発設計された。一目見ただけで成田エクスプレスだと見分けられるほど独特のフォルムで、一斉風靡したこの車両はデビュー翌年の1992年には鉄道友の会による「ローレル賞」を受賞し、名実共にJR東日本を語る上で外せない、代表的な列車(車両)となった。空の便をライバル交通機関として、ある意味で敵対視していた時代から、協力関係の時代へと大きくシフトしたことを印象付けてくれた列車だ。
もっとも、このジャンルでの先駆者というわけではなく、北海道・千歳空港へのアクセスを担った特急ライラック・特急ホワイトアローの方が先輩となる。それでも日本中に与えたインパクトを考慮するとこちらの方が強いだろう。
初代専用車両だった253系はそのほとんどが廃車となったが、一部は特急日光・特急きぬがわとして、また長野電鉄に譲渡されて「特急スノーモンキー」として現役で残ることができた。一方のE259系は特急マリンエクスプレス踊り子号として活躍することがあり、運用の幅をいくらか広げている。
画像提供:N.Tazoe様・STUDIO TOSHI様(無断使用・転載禁止)