摩周&川湯温泉足湯めぐり号のプチ・ストーリー
◆ 北海道の大自然を行く釧網本線。そこは自然の観光資源豊かで魅力あふれるローカル線だ。釧路湿原・流氷・珍しい野鳥そして複数の温泉。確かにアクセス面での弱さがあり観光客が押し寄せるというまでの状況にはなかなかならないが、魅力を伝える試みがこれまでにもいろいろと行われてきた。その一つがこの「摩周&川湯温泉 足湯めぐり」号である。2か所の足湯がある駅で長めの停車時間を取っていた。
この列車が登場したいきさつは、地域の魅力を発信するために「通常の列車に地域の魅力が伝わる名前を付けよう」という発想からだったようだ。そして、それを目に見える形にしたヘッドマークも用意された。
運転されていたのは2010年5月1日~10月31日の摩周~緑の設定に始まり、網走~釧路間の設定に変わり2011年7月1日~冬季は休みで2015年10月31日までだった。現在では長い停車時間は無くなり、出発時刻を遅らせた普通列車が同じ区間を走っている。
摩周&川湯温泉足湯めぐり号のヘッドマーク
駅前すぐのところに足湯があるところは全国的にも例がある。陸羽東線・鳴子温泉駅や一畑電鉄の松江しんじ湖温泉駅など、JR・私鉄を問わず見られる。
しかしながら、一つの路線に複数の足湯併設駅があるところは多くない。釧網本線にはそれがあり、そこに注目して「足湯めぐり」を前面に押し出した列車設定を行ったというわけだ。
ヘッドマークはJR北海道社員の方々が考案したもので、キハ54系貫通扉に差し込み式の(快速しれとこ摩周号と同様)プレートが用いられている。プレートサイズは37×47cmだ。
両サイドに二つの温泉地名を縦書きで配置し、四隅に足跡マークがついている。人の足型が描かれたヘッドマークは他に記憶にないが、決して嫌味なくむしろかわいくさえ思える。この点で角丸のファニーな雰囲気のフォントで「足湯」と書かれているのが功を奏しているように思う。
そして何より最高なのが膝から下の脚先をユーモラスに描いている部分だ。本来なら、足湯に浸かるとお湯に入っていた部分だけが真っ赤になるものだが、そういう描き方では足湯の魅力が半減する。というのも、足湯で体全体がポカポカ温まることを表現したいからだ。
そういった意味で、このデザインは「楽しく魅力を伝える」秀逸なデザインとして個人的にイチオシのヘッドマークだ。
皆様へのお願い~もっと事典を充実させるために~
この列車のヘッドマーク・ロゴマーク類のデザインに関するさらなる情報を調査しています。
また、将来的には 号のトレイン・サボなども存在が確認出来たらご紹介する計画なので気長にお待ちいただければ幸いです。
なお、トレースを精密に行うには当然のことながら精細な画像が必要になります。このサイトは皆さんに無償で使っていただけるトレインマーク事典ですのでご協力いただけるなら皆さんの益になると確信しております。情報をご提供いただける方を募集しています。