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京阪旧3000系のプチ・ストーリー
◆ 京都・三条駅と大阪・淀屋橋駅を結ぶ特急として1971年から活躍した特急用車両3000系。45分で走破するこの列車はカーブが多くて線形という面では阪急や国鉄より不利と言われた京阪間でも京橋~七条間はノンストップでそれなりに健闘していた。というのも、大阪府庁~京都府庁という結び方で比較すると位置的有利ゆえに早く到着できたからだ。
後には鴨東線開業により、京都側が三条ではなく出町柳となった。京阪特急伝統の鳩のマークを掲げ、2両のテレビカーを連結していたことでも知られる。天満橋以西の地下区間ではテレビは砂嵐であった。時代とともにテレビの存在意義が薄れたことや地上デジタル放送化もあり、姿を消した。
もうひとつたいへん興味深い存在だったのがドア付近にあった補助いすの存在。取っ手が付いていて、簡単に引き出せそうに見えるのだが、ノンストップ区間に入らなければ使用できないようになっており、混雑時にも使用できないようになっていた。
私自身、幼少時に京阪間の沿線に住んでいたためノンストップの特急を利用する機会はほとんどなく、淀屋橋~京橋間など、停車する駅間でのみいわゆる「あこがれ乗車」をしたものだが、この補助いすが出ないことが強く印象に残っている。
最近でこそ座席指定料金が必要なプレミアムカーが話題になっている京阪特急だが、長年にわたって料金不要の特急であった。この旧3000系が登場したころ、料金不要の特急でありながら先頭部の窓に曲面ガラスが採用されたことは注目に値することだったそうだ。
この車両は京阪電鉄での活躍を終えた後も、富山地方鉄道や大井川鉄道などで一部活躍を続けており、このページの写真にあるとおり、京阪電鉄・樟葉駅前にあるくずはモール南館のSANZEN-HIROBA(3000ひろば)にて展示されている。
京阪特急の鳩マーク~旧3000系バージョン~
前述のとおり、京阪特急の鳩のマークは伝統であり、脈々と受け継がれている。旧3000系においても用いられた鳩のデザインであるが、はっきりと区別できる2つのタイプがある。(画像をクリックするとHM高画質保管室にリンク)
【末期型】国鉄の特急車両などでも一般的に満たれた「表示窓」タイプの鳩マークは角丸の四角系の表示窓で背景が紺色であった。
【前期型】画像にあるとおり、車両の配色に合わせたプレートに鳩のマークが埋め込まれるようにデザインされたヘッドマークが従来の旧3000系の鳩マーク。遠目に見ると、車体としっかり調和しているのでデザインの部分だけが浮き立っているように見えた。(上の画像のタイプ)
稀に鳩マークが無い姿が見られたが、それは取り外しをしていた訳ではなく、通称「鳩隠し板」なる同色のプレートを重ねるようにはめ込むことにより鳩マークが見えないようにしていたためだ。しかし、あって当然のように思われたこのマークがないように見えると大きな違和感を感じたことを思い出す。
余談だが、夜間になると3両編成で運転されていた時代もあった。
最近の京阪特急・鳩マーク
8000系のイメージが強い現在の京阪特急だが、新3000系なども活躍している。そして、LED表示器が大きく進歩しており、鳩マークが表示されている。8000系では今も幕表示が残っており、伝統の雰囲気が色濃く残されたマークである。
(画像をクリックするとHM高画質保管室にリンク)
そしてプレミアムカーが連結されているのだが、その車両には鳩マークのシルエットとその上に並ぶ三ツ星が極上の空間に花を添えている。 【コラム】京阪特急プレミアムカー◆400円で買う21分の至福の時
現・3000系では縦長のLED表示器なので、中央に鳩マークが描かれたその下に「CONFORT SALOON 3000 SERIES」という文字も表示され、良い雰囲気を醸し出している。
画像提供:KOGANE-TURBO様
懐かしのテレビカ―
(画像をクリックするとHM高画質保管室にリンク)
皆様へのお願い~もっと事典を充実させるために~
この列車のヘッドマーク・ロゴマーク類のデザインに関するさらなる情報を調査しています。
また、将来的には 京阪特急のトレイン・サボなども存在が確認出来たらご紹介する計画なので気長にお待ちいただければ幸いです。
なお、トレースを精密に行うには当然のことながら精細な画像が必要になります。このサイトは皆さんに無償で使っていただけるトレインマーク事典ですのでご協力いただけるなら皆さんの益になると確信しております。情報をご提供いただける方を募集しています。