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特急やくも号のプチ・ストーリー
◆ 岡山~出雲市を結ぶ特急列車として現在もなお運転されている特急やくも号。一時期は知井宮(現:西出雲駅)まで行っていたが、現在は元に戻って出雲市駅発着となっている。
山陰と山陽を結ぶ重要な役割を担って、キハ181系時代からL特急を名乗っていた特急やくも号。いまだ非電化区間の多い山陰にあって電車特急は特異な存在であり、寝台特急のサンライズ出雲号を別にすればその状態が二十数年続いている。
特急という種別についてはJR西日本ではすでに廃されているが、イラストヘッドマークに描かれている「L」マークはまだ健在であり、全国的に見てもこの「L」マークが残っている唯一の特急となっている。
(*このページの画像提供:YOMPAQ様・K-office様・KOGANE-TURBO様。無断使用禁止)
新型振り子式車両がついに発表された!
2022年10月20日、伯備線の山岳路線に対応した振り子型車両の姿をイラストで発表された。ブロンズカラーが採用され、同時に「やくも」の新しいロゴマークも発表された。嬉しいのは国鉄時代のヘッドマークのフォントを受け継いでいること。黒岩保美氏がデザインした文字がこれからも大切にされ走り続けていくことが素直にうれしい。
そして、この新型車両に新たに設けられる座席形態として「セミコンパートメント」という複数人数で利用できる席がある。普通指定席料金で利用できるというのだから驚きだが、当然ながら一人で利用したいと思ってもそれはできない。セミコンパートメントのロゴマークも用意された。やくもの「雲」を組み合わせたデザインだが、向き合って会話しているようにも見える興味深いロゴマークだ。
◆特急やくも号のトレインマーク
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【HM登場】1982年7月
【HM引退】 現役
【HM活躍期間】継続中
特急やくもが電車化された時、それは特急しなの、特急くろしおに続く第3の振り子電車特急の誕生の瞬間だった。長らく、上の【1】のマークを使用してきた。
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ただ、最近はちょっと異変が起きている。伝統的な国鉄特急型の非貫通顔の381系においても左右に不自然なスペースが空いた(おそらく1枚貫通扉用)タイプ【2】のヘッドマークが用いられているのだ。
山間、高梁川の川沿いを縫うように走る特急やくも号に381系車両はピッタリのチョイスだっただけあって、カーブの多い区間を走る姿は非常に美しい。
今に至るまでリニューアルを重ねつつ使用されている。グリーンの背景の画像【3】は、現在のひとつ前のリニューアル車両の塗装で見られたロゴマーク。
一時期、全国各地に存在した「スーパー・・・」という特急たち。速達性を示すのに手っ取り早い手段として用いられ、「スーパーやくも号」という列車も存在した。
こちらはそのトレインマークだ。「L」マークが取り除かれて上の部分にスーパーと書かれただけに見えるが、「やくも」の文字の色合いにも濃さの違いがあるとの意見もある。詳細は定かでない。
最後に紹介したいのが現役のロゴマークでボディー再度に描かれた「ゆったりやくも」のマーク。2007年に実施されたリニューアル工事により座席を683系と同等型のものへ交換とセミハイデッカー化、シートピッチの拡大などが行われて文字通りゆったりしたグレードアップしたインテリアの列車となった。
そんなイメージをさりげなくアピールしているのがこのマークだ。
◆特急やくも号の画像集
2010年度中にリニューアルが完成し、専用カラーをまとっている。やくも号のイメージカラーとしてはなかなかグッドチョイスな感じがする。塗り分け方はJR西日本の優等列車のパターンに倣ったものになっている。
急行きたぐにの583系、特急くろしお(旧車両)の381系、特急きのさきの183系など多数ある。この画像は前面に一枚式の貫通扉があるタイプのクモハ381形を先頭にした特急やくも号。ヘッドマークの上に特急シンボルマークがあるが、これはダミーというのか、ステッカータイプなので立体感がない。ヘッドマーク窓もやや幅が小さめの、ほぼ正方形のようなものとなっている。
最近は、非貫通型の381系ヘッドマークにもこのタイプのHM幕を使用するケースも多いように思われる。拡大画像をご覧いただくと、左右に不自然なスペースがあることにお気づきいただけると思う。従来のものよりイラスト範囲の幅を狭めたものであるが、それはまさに正面に一枚の貫通扉があるクモハ381形用に縮めたサイズのものに間違いない。
ちなみに、JR西日本ではエル特急という種別を廃止したが、イラスト・トレインマークには「L」のマークが残っているものが多数ある。
●80年代の山陰のクイーン
ディーゼル全盛の数ある山陰特急の中で、1982年に早々と電車化されて華々しい存在だった国鉄時代のやくも号。そうして不要になったキハ181系は山陰路の特急の多く(特急はまかぜ、特急おき、特急いそかぜ その他)をキハ80系から置き換えて高出力化に至った。
その時からやくも号に使用されている381系車両は今や数少ない国鉄型特急車両形式で、定期運用を持つ稀な存在となっており、40年近く経過した今だんだんと今後の計画を検討される存在になるかもしれない。ただ、JR西日本にとって「次の大きな車両配置変動」が予想されるのが北陸新幹線の敦賀延伸時であり、それまで現状維持するのが得策だと思われ、それまでは現役の381系が見られそうな気配である。
この画像(グリーン&イエロー帯)は岡山駅にて、到着とほぼ同時にヘッドマークが回送に変わってしまった残念な画像ではあるが、やくも号の専用カラーとしてこれまで親しまれてきたタイプのもの。さらに、このページではご紹介できていないが、薄紫をベースにしたスーパーやくもという列車(専用塗装車両)が存在したこともあった。