臨時特急冬のラベンダー号のプチ・ストーリー
◆ 札幌~(旭川・富良野線経由)~富良野を結ぶ特急として2025年2月に初めて運転された臨時特急冬のラベンダー号。2/8,9の限定運転だった。
富良野線はJRが単独では維持困難とする赤字8区間(通称・黄色線区)の一つであり、外国人観光客などのニーズを探ることを主な目的としてJR富良野線の沿線自治体とJR北海道でつくる「JR富良野線連絡会議」が計画して臨時特急「冬のラベンダー号」の運行が行われた。夏には札幌~(滝川・根室線経由)~富良野間の臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス」を運行しており、今回は富良野線経由にすることで旭川~富良野間の観光利用や、海外客に人気の美瑛駅の利用といった観点でも効果を検証した。
使用した車両はキハ261系5000番代ラベンダー編成で、愛称との調和も図られていた。
臨時特急冬のラベンダー号のヘッドマーク
ラベンダーというと初夏のイメージが強く、どうしても冬とのつながりを見つけにくい。とはいえ、「富良野・美瑛」という地名を聞くと真っ先にラベンダーを思い浮かべるという人が少なくない。そこで、オフシーズンにも富良野観光が開拓できるかが問われている。
実際のラベンダー畑はというと当然ながら花が咲いている様子は見られない。しかしながら、その畑を覆う雪野原はラベンダーを保護しつつ富良野の独特の魅力を作り出しているとも言える。

臨時特急冬のラベンダー号ヘッドマーク
このヘッドマークのイラストでは、そんな新たな視点での富良野を可愛らしく魅力的に伝えているといえるだろう。雪をかぶった木々、枯木立、雪野原の眺めるようにたたずむキタキツネたち。「冬のラベンダー号」という愛称の周りには雪の結晶とラベンダーが好対照で並んでいる。メルヘンチックなデザインは温かみがあり、ほっかりした気持ちになれるアイテムとして注目されたことだろう。
