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STAR21のプチ・ストーリー
◆ 正しくは高速試験用新幹線電車952形・953形電車。STAR21という愛称は「21世紀の素晴らしい電車」を意味する英語「Superior Train for Advanced Railway toward the 21st century」の頭文字から採ったものだという。
形式名が952形と953形の2種類あることからわかる通り、編成の前半と後半では異なるテスト車両となっていた。1~4号車は952形で、1両に対して2つの台車がある一般的な構造、5~9号車の953形は2両の連結部にかかる形で1つの台車がある連接構造だった。また、先頭形状も異なる形状を採用していた。
1992年3月27日から走行試験を開始、東北新幹線仙台~北上間などで行なわれていたが、最も注目を集めたのは1993年12月21日、上越新幹線越後湯沢~新潟間で行なわれた高速走行試験で最高速度425km/hを達成した時だろう。
この「STAR21」での騒音対策はおもに車体の徹底的な平滑化によって風切り音を中心とした「空力音対策」を念頭に置いたものだった。機器類の配置の見直し、車体表面の段差を徹底的になくすこと、必要な部分へのカバーの取り付けなどに主眼を置いていたが、その後のトンネル微気圧波という大きな課題は次の車両に持ち越された形となった。
様々な高速運転のデータを採取する試験を終了したことに伴い、1998年2月17日付けで廃車となったが、その一部が今も滋賀県米原市と宮城県利府町に保存されている。
STAR21のトレインマーク
(画像をクリックするとHM高画質保管室にリンク)
運転席のサイドウィンドー下にトレインマークというか、ロゴマークが掲げられている。
非常にスピード感あふれるデザインであるとともに、未来に向かって進歩を続ける印象もあり、とてもふさわしいロゴマークに仕上がっている。
左右で異なるロゴマークのこだわり
マークのデザインは左右で矢印の向きが異なっており、先頭に向かって矢印が延びるようにデザインされているのは見逃せないこだわりポイントだろう。
画像は宮城県利府町にある新幹線総合車両センターのPRコーナー前に保存されているSTAR21の横顔。
最高速度425km/hを達成したときの功績が誇らしげにサインされている。加えて、電気学会電気学術振興賞(進歩賞)を受賞したことも合わせて記されている。