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特急オーシャンアロー号のプチ・ストーリー
◆ 京都~新宮(一部、新大阪⇒和歌山)を結ぶ特急として運転されていた特急オーシャンアロー号。6両基本編成が2編成、3両の付属編成が2編成ということで、比較的希少な車両ということになる。
それでも運転形態そのものに変更はないものの、2012年3月のダイヤ改正でスーパーくろしお共々、特急くろしお号に愛称統一された。実質的には車両はそのまま同様の運用に就いているため、愛称のみ消えた格好だ。
登場は1996年7月31日。当初は「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」として運転を開始したが、1997年にすっきりと特急オーシャンアロー号に改称。283系自体、既成概念を覆すような斬新なデザインが特徴だが、告知するCMでもイルカが変身したかのような登場シーンでインパクトがあった。
VVVFインバータ制御を採用し、設計最高速度が130km/hで、大幅なスピードアップが可能な設計とした。とはいえ、停車駅の増加もあり、目に見えた時間短縮は図られなかったのが現実だったようだ。
特急オーシャンアロー号のトレインマーク
本州最南端の地の海の躍動感を表現したようなトレインマーク。283系は前面に表示装置はないので、ボディーにステッカータイプのものが貼られていた。
上部が右に流れていくようなスタイリッシュな文字とイルカが重なり合うデザインだが、イルカの部分が目立た無すぎるのが少々残念に思える。個人的な意見だが、いっそのこと白いイルカを描けばコントラストがはっきりしただろうと思う。
もうひとつ、愛称表示幕もオーシャンアローの個性を感じられるものとなっている。くろしおのライトブルーよりも深い色の青を背景に、軽く影を付けた立体風のフォントでオーシャンアローの列車名を表記している。残念ながらイルカのシルエットなどは描かれていない。
◆特急オーシャンアロー号の画像
イルカのようなお顔が印象的な特急オーシャンアロー。近鉄伊勢志摩ライナーと張り合うような全面展望の大型ウィンドーを採用しているのも特徴である。
しかし基本編成と付属編成の間になる部分の各先頭車両は貫通型の平凡な姿をしている。
一瞬見た感じは、雰囲気といい前面のカラーコンビネーションといい、北近畿タンゴ鉄道時代の「タンゴディスカバリー」号によく似ていて、ライトの形状で区別するのが一番容易だったように思う。
タンゴディスカバリー号のキレのある大きな目に対し、こちらオーシャンアローは六角形のつぶらな瞳。地味ながらなかなかの個性派である。