特急あすか号◆ヘッドマーク事典 | HM事典新館
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特急あすか号◆ヘッドマーク事典

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特急あすか号のプチ・ストーリー

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◆ 名古屋~東和歌山を、関西本線・阪和貨物線(八尾~杉本町)・阪和線経由で結んでいたディーゼル特急あすか号。需要があると思われての登場ではなく、1965年10月改正で紀勢本線に設定された特急くろしお号の間合い使用の列車としてやや無理やり設定してみたという印象の列車であり、不遇の、そして短命の列車として一部のファンに記憶されている。活躍期間は1965年3月1日~1967年10月1日改正の間の約2年7か月

そもそも奈良県は近鉄特急の独壇場で国鉄特急の設定が全く無く、準急かすが(1966年からは急行かすが)が名古屋~湊町(現・JR難波)を結んでいるのみであった。そこになぜあえて特急を設定したのか、その理由は以下の通りである。

設定当初の特急くろしお号は名古屋~天王寺の1往復のみで紀伊半島をぐるりと回る、現在でいう「特急くろしお」+「特急南紀」を一本につないだ長距離列車だった。天王寺発の特急くろしお号は朝9時過ぎに出発して紀伊半島を一周し、18時頃に名古屋到着。一方の名古屋発の特急くろしお号は日中の12時ごろに出発して天王寺には夜23時頃到着というダイヤであった。

この車両は天王寺鉄道管理局・和歌山機関区に配置されていたので、天王寺に到着した編成はそのまま和歌山に回送される自然な流れだが、名古屋に到着した編成の方は、【1】18時から翌日の昼まで名古屋にとどめておくのか、【2】空気を乗せて名古屋~和歌山を往復させるのか、あるいは【3】その列車を客扱いのあるものに仕立てるか、その三者択一で客扱いをすることを選んだ結果が特急あすかというわけである。

そのようなわけで、名古屋発の時刻は19:00⇒奈良着21:16⇒東和歌山着22:40、そして翌朝 東和歌山発7:10⇒奈良発8:41⇒名古屋着10:50という、いわば「隙間に詰め込んだダイヤ設定」だった。

特急あすか号のトレインマーク

キハ82系に使用される、裾をいくらか絞ったタイプのヘッドマーク。活躍期間が1965年から1967年とあって、いわゆるイラストヘッドマークの時代が訪れる12年も前に消滅した列車なので文字タイプのヘッドマークしか存在しなかった。特急あすか号のヘッドマーク

大きなひらがなの表記は丸ゴシックで柔らかな印象を与える。そして、このマークの特徴的なところとして漢字表記の「飛鳥」の文字が添えられているところを見逃すことはできない。

同様の例は181系ボンネット型電車を使用した特急とき号などにも見られるが、キハ82系では特急あすかが唯一の例、またひらがな部分と同じ色での漢字添えというのはなかなか例がないと思われる。

漢字を添えた理由だが、「あすか」に相当する漢字には「飛鳥」だけでなく「明日香」もあり、前者は日本史における重要な意味を持つ「飛鳥地方」、それに対し後者は「明日香村」というローカルな村のイメージとなり、そこをはっきりさせたかったからだと言われている。

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